仮縫いトワル補正の徒然

scylt/ 5月 31, 2019/ ビスポークの徒然/ 0 comments

ビスポークシャツワークの中で、最も大切なのは

言うまでもなく、パターンです

シャツは、ウールスーツのビスポークと違い、アイロンによる整形が出来ないので

シルエット、フィットの肝はパターンで全てが決ります

今回は、scyltの特徴の1つでもある 3面構成のパターン補正に関して、触れてみたいと思います(scyltビスポークの紹介にもなるかな)

まず

最初の打ち合わせ&採寸で得た情報を基に、仮縫い用の1stパターンを作ります

採寸の数値でボディのサイズ感を確認するのは勿論ですが、同時に

お客様の身体の特徴を捉えることが大切になります

 

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今回で言えば

こちらのお客様の身体の特徴は、①背筋が真っすぐ ②撫で肩 ③右肩下がり ④首の長さ(美的ポイント) になるでしょうか (肩先の位置も確認ポイントです)

上記の事を踏まえて、最初に作られたボディのパターン

①グレーの鉛筆のラインが、最初の仮縫いパターンです(青ペン は修正後)

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解説すると

①背筋が真っすぐ(反身体) → 背丈と前丈の差寸を少なめに

②撫で肩 → 肩傾斜を強め (斜辺採寸法による数値を元に)

③右肩下がり → 左右肩傾斜の違い(仮縫い時から左右の差をつけるかは程度によりますが)

④首の長さ  → 台衿を高めに

上記のポイントを加味したパターンにより、仮生地50/1 ブロードで仮縫いを作成します(おおよそ採寸打ち合わせから2週間後)

そして 仮縫い着用時の補正を行います

「極端なしわ」が生まれるのは、ボディに対するパターンの「あまり」ないしは逆に「テンション」がある訳なので、そこをピンで摘まみながらカット、ないしは、接ぎを開いて足りない分量を足して いきます。

ただし、「あまり」=「ゆとり」=「運動量」でもあるので、やり過ぎは禁物、原因と部位を確認しながらです

パターン上では、黒く濃いペンが修正のラインです

内容としては

①前胸上の幅が少し足りない → 身幅を+1㎝ & 袖山&いせを少し出し肩外周に余裕を

②脇に斜め上にしわ → 肩傾斜を左右別々にさらにとる(左:3㎜ 右:8㎜)

③袖をスッキリさせたい → 肘幅、カフス巾のカット(袖丈はご希望で長目の設定)

④肩甲骨の凸がヨークを引っ張る(特に左肩甲骨) → ヨークパーツに凸を出す&センターギャザーをヨーク全体に分散

⑤ウェスト幅を1㎝程カット → 「後身のみ」でウェスト分量を削る

⑥レングスカット

ポイントの肩回りのパターンにフォーカスすると

ポイントの 左右の肩傾斜の修正、肩甲骨の凸部分の対応が、パターン化されているのが見て取れます

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また実は、横着してパターンに記載してないところもあります(笑)

左右の肩傾斜の差異による、アームホール寸のずれです。(袖山寸法は基本左右同じなので)

カマ底を少し下げる事で対応しますが、ここら辺は縫いで調整します。

こうした事は、ビスポーク、フルオーダーならではの細かい修正で、

小生は、いつも頭を抱えながら(笑)、もっとも美しくみえるシルエットと着心地の着地点を探し、こうした作業を行っている次第です

という事で

今月のブログは、ビスポークワークのメイン、パターン修正の徒然でした

 

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