新作作り

scylt/ 3月 21, 2021/ デザインの徒然/ 0 comments

さぁ今シーズンのコレクションを何しようかな‥と。

好きな時に、新作をちょこちょこ作っている現状、

もうちょっと、ちゃんとせねば・・

 

小生の場合、シャツというアイテムに絞っているスタンスの都合もあり、

テーマとか、コンセプトというよりは、モノ作り、技術、素材に

フューチャーしたコレクション作り

「自分の中で気になってるもの」にトライする事がポイント

 

ということで、今回は 「タイダイ染め」にチャレンジ

 

デザイナーズブランドでも、「タイダイ染め」は、ドリスヴァンノッテンやステラマッカトニーなど

印象深いコレクションを数年前に発表しているので、デザイン要素としては決して新しいことでもないのですが

最近、カジュアル・ストリート系のスウェット系などで浸透&再燃しているのを見て、ちょっと気になるなと・・・

また同時に、シャツという小さなカテゴリーに絞っているからこそ

シーズンによって、より「ドラスティック」な変化を提案したいなと言う思いもありますので

素材の色柄が変わる「タイダイ染め」に、今まで無地をメインにしていたコレクションとは全く違う表情を期待したいと思う次第です。

 

 

「タイダイ染め」というと・・・ こんな感じですよね

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こんなコレクションピースも。。すごい(画像拝借)

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ステラマッカトニー

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プロエンザ スクーラー

このように タイダイ染め、絞りの技法はたくさんあります

絞り方によって、色の出方、割合、模様 が全く異なり、服の表情をガラっと変えます

では

今回自分はどういうタイプにするか・・・

シャツのデザインと同時に考える訳ですが・・・

 

さんざん調べて、悩んだ挙句

今回は、「タイダイ」と言えばという・・・

王道感のある「トルネード」タイプの絞りをやってみようかなと思います。(画像拝借)

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ただし、一般的な上写真トルネードのように、フロント前面に来るようにはせずに、

シャツのデザイン、パターンの工夫の中で、出方を変えようかなと。

 

ではその土台になるシャツデザイン。

トルネードタイダイの表情を、今までのモノとは少し違った表情を演出する事の出来るデザイン

・・・

・・・

 

その染めありきのデザインとは、こんな感じ

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肩で接ぎを入れず、1枚布全体で絵を入れる着物型です

デザイン的には着物とドルマンスリーブの間の様な感じです

なぜこの1枚布の展開にしたのか・・・?

それが 新しいトルネードタイダイ製品の表情への挑戦。

トルネードの渦の中心をフロント胸部分ではなく、あえてネックに持ってくることで

首から下に向かって螺旋にタイダイ柄が下りてくるような流れ

そこに面白みが生まれるのかな・・

というイメージで、脇を縫う前に染めをいれようと考えたわけです

 

もちろんシャツの形自体は、この前段階で仮縫いを何度か入れて

パターンを作っているので、シャツのシルエットは既に完成しています

粗く脇を縫って、最終確認

(最終シルク素材でやりたいので、染めによる縮率(-10%近く)の分、丈長くしてます)

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衿高さ約12㎝のハイカラー 顎の上まで到達します

デザインソースとしては19世紀のパリジャンの様な雰囲気の衿&多ボタンフロントにしています

当時は、台衿の無い1枚衿によるハイカラー、ストールをぐるぐるに巻いたりするスタイルがブルジョワジー=市民階級の一般的スタイル

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このシャツはそもそも、胸を深くはだけられるリゾートシャツとしてのアイテムテーマからスタートしてますが、

衿の形で大分悩んだ挙句、最終こういうアンティークシャツ的なフロントデザインに行き着きました

というのも

デザインってバランスだと思うんです

どこか外したり、どこか突出させるなら、どこかは落ち着かせる要素が必要かなと

今回のメインは「タイダイ」、そこに対してシャツの土台は、ある程度「既視感、既知感」のあるデザインで落ち着かせようと、そんなイメージです

また

ウェストベルトは、脇ループで外から巻く通常のタイプではなく、ボディに玉縁スラッシュを入れて、ベルト通り穴にする仕様。

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なぜこの前後4つ玉縁を作らねばいけない面倒な仕様なのか・・?

我ながら謎・・? でもなんか違いを作りたいというディテール感覚ですね

 

ということでこれを染めていきます

タイダイ染め、トルネードタイプそこまで決めてますが

では、色は?色の染め方は? まだまだ悩みどころが沢山

ということで、まずは染料から。

メーカーが幾つかあります

・みやこ染め ・ダイロン(DYLON)・田中直染料店

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この中では、田中直染料店が一番本格的でプロが使う染料メーカーかと思います

昔は渋谷にお店があったので、10年前位かな・・もっと前か、

当時、購入していた残りがまだ何色か持ってました。

その時は市販で買ってきた白×黒ツィードニットを 黒く染め直したりした記憶がありますね、、今でも着てます。

自分でやるのはちょっと・・と言う人には

最近、セレクトショップのアーバンリサーチが、着なくなった製品を「黒く染め直し」サービスをやってるようです。

形は良いんだけど、色がもう気分じゃないっていう様なタンス在庫をもう一度ヘビロテアイテムに変えられる、良い機会ですよね、おススメかも。

染料はどこもそんなに変わらないと思いますが、熱湯で染めるタイプと水で染められるタイプと

分かれているので、それだけチェックが必要です(まぁどちらもある程度染まりますが)

脱線から戻り

早速シミュレーションを作ります

今シーズン、黄色が気になる・・と、インスタでもうたっているので、

まずは 青×黄 と ネイビー(薄目)×黄 でやってみます(染料の割合でも色濃度が変ります)

綿の残布を使って、トルネード巻きにして、分量と色の置き方のバリエーション

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この状態で袋の中に1日置いて、色を定着させた後

水洗い。開くとこう。  手ぬぐいのようだ・・・

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サイズ感は本来、シャツのサイズなので、縮尺ボディに載せてチェックしてみる

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大きくなれば、多少マシな気もしますが・・・浴衣か・・?

う~ん・・微妙・・・

却下!

という事で、再シミュレーション、色変更 黒(グレー)× ネイビー に

色の置き方 でバリエーション

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左は、ボトルがそのまま垂らすように、染料をしっかり奥までしみ込ませたタイプ

右は、筆を使って表面だけをしみ込ませたタイプ

白地部分の分量が変わるので、見え方に差がでるはず

開くとこう。(左右逆に)

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ボディに載せてチェック

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やはり黒が多いと重い・・・

ので、筆で表面を撫でる方を採用。

色には、正解がないので、現状よしとしよう(笑)

という事で、タイダイ染めの方向性がフィックスできたので、

本番!

まずは、

① 本体を軽く洗って、生地表面にある糊や汚れを落とし

② 煮沸したお湯に、塩(綿素材用) ないしはミョウバン(シルク用)を色定着促進剤として溶かし、本体シャツを投入し、染料を受け入れる土台を作らせます

(もしくはメーカーにより、専門の促進剤があります)

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③15~20分後取り出し、 絞り型を作っていきます

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これを糸ないしはゴムで縛り付けます。

この縛りの強度で、白部分の残り方、量も変わってくるので、ゴールのイメージに合わせて力加減。基本はキツメに縛って、白と染めのコントラストを付ける方が効果的ですね

では、筆にて色染め。一部をネイビー気持ち多めにしつつ、全体的に黒を表面に

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小さい渦は、ウェストベルトと残布。

フロントボタンをくるみ釦を作ろうかと思っているので、その分の染め生地。

さぁ、準備はできました

後は1日袋に入れて、置いてじっくりしみ込ませ&洗いを入れたら完成!

・・・ではなく、最後に脇縫いと裾始末も残っていますね

どうなるかな・・・

そのうちインスタでお披露目かな・・

 

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