vintage watch ~趣味の世界~

scylt/ 7月 15, 2024/ よもやま/ 0 comments

今回のテーマは、シャツから離れて趣味?

いや、これも仕事・・(シャツ)デザインの勉強に関わると勝手ながら信じている・・”腕時計”のコレクションを紹介しようかなと。

インスタではちょこちょこ隠れポスト(1枚目は外す)していますが、実はこんなにあるんです・・というか増えていくんですww

そりゃ買うからなんですが・・ついついポチっとね。

ただ小生のコレクションは、巷で人気の高級時計トレンドいわゆるラグスポ系などではなく、あくまで自分の琴線に触れるものを集めております

そして、それは自分にとってのデザイナーとしての感覚の、大衆が好むトレンドと同じ波には乗らない、追いかけないという矜持みたいなものでもあります

一般大衆と同じセンスなら、デザイナーたる意味はないですからね・・

ということで、早速時計の紹介と

まずはこちらの エレガンス系ボックス1

8個手巻き式、4個クォーツ。エレガント系なので、すべてレザーベルトタイプ(ベルトは交換が多い)

右上から SEIKO Chariot クォーツ、SEIKO sports matic Calendar自動巻き、Universal Geneve 手巻き

右下から SEIKO sports matic BK自動巻き、 SEIKO unique 蛇”S”アプライド、SEIKO Champion Calendar手巻き、Elgin silver case手巻き

右上から SEIKO unique 手巻き、Longines shell文字盤スモセコ*手巻き、CITIZEN DUKE クォーツ

右下から、KING SEIKO 手巻き、Richo Sharade クオーツ、SEIKO Chariot クォーツNy文字盤

年代が古い時計は概ねケースサイズが小さく、この中では例えばUniversal Geneveが最小で31㎜、最大のSEIKO sportsmaticで36~7㎜、現行のラグスポ系が40㎜を超えるサイズが主流、昨今少し小さくなって38㎜が出てきたという状況。

小生は細腕なので、ここら辺のケースサイズが小さくて相性の良い感じです

どれももちろん気に入っておりますが・・・その中で一つ、最古のヴィンテージ時計を紹介

”Elgin”  ボックス下段中央

Elginエルジンは、 1864年創業の米国メーカー。

時計と言えばスイスですが、19世紀半ばからアメリカは産業革命期を経て製造業が発展してくると、19世紀末には世界一の生産力(繊維や鉄鋼、造船、石炭など)を持つ国に成長、それは時計業界にも波及し、それまでパーツごと各職人が家内制手工業でモノづくりをしていたスイスと異なり、時計業界に米国式の効率的な製造工程を持ち込み、時計部品の規格化された機械的製造によってより安価で大量に生産システムを実現、業界に品質の安定性と精度を両立させたモノ作りをもたらしたのです。

Waltham, Elgin, illinois, Timex, Hamilton, Tiffany など 今でもブランドが残っているメーカーがこの時期に誕生しています 

ちなみに

1868年創業 Elginと同窓生 出世頭の ”IWC”は、巷では”ドイツ”のイメージが強いですが、ブランド名が英語で書かれている通り創業者はアメリカ人、アメリカの製造工程を取り入れたスイス:シャウハウゼンに工場を構えるメーカーでした。(ドイツのイメージが強いのは、、、シャウハウゼンがスイス北端ドイツ国境近くに位置しドイツ語圏というのもあり、質実なドイツデザインの影響を受けているからだと言われています)

時計本体に戻って・・

こちらのElginは、1900年初頭のもの、「アンティーク」の部類に入ります(アンティークと呼べるものは、骨董業界で正式には100年以上経ているものと定義があるらしい)

特徴は・・・

①琺瑯文字盤(琺瑯=エナメル・・ガラス質の紬薬で幕を張る・・ヒビ割れしやすい一方で独特の優しい乳白色が特徴) 

②内部キャリバーのエングレーヴィング(装飾彫刻)

③純銀製の座布団ケース 

④玉ねぎリューズ 

時計におけるエングレーヴィング装飾は米国で独自に発展した印象があります。もちろんヨーロッパでは、ランゲなどの超高級ブランド、もしくは各ブランドの一部の高級仕様に散見されますが、

懐中時計から腕時計に移行していくこの当時から現在に至るまで

キャリバーパーツの仕上げは、コートドジュネーブ:波型の表面加工 か ペルラージュ仕上げ:円形研磨のうろこ状の連続模様 が殆で、当時の米国ブランドの彫刻装飾と同程度の、という印象はありません。

20世紀初頭と言えば、デザインはアールヌーボーからアールデコへと移りだすタイミング。その後、世界大戦の渦へヨーロッパ全土が巻きこまれていく中で、

おそらくヨーロッパでは、この当時辺りから宝飾時計と実用時計=軍事用と分け始め・・思想的にも経済的にも彫刻装飾をキャリバーにまで施し、一般化する余裕はなかったのではないかと。

一方米国は戦禍を逃れ、軍需でGDPを伸ばしていった頃(1929年世界恐慌に至るまで)、地理的かつ思想=デザイン的にもヨーロッパの潮流から外れていたが故に、各メーカーは高級品としての時計に、彫刻装飾に凝った製品を数多く生み出せたのではないかと・・・勝手ながら推測します

なお当時の米国時計の品質は、スイス勢を凌駕していると言われ、日本の時計業界の先人たちもスイスよりも米国の時計のモノ作りを見倣えと、製造方式を輸入していたようです

「腕時計」の発祥は、男性の懐中時計を女性が装飾で付けるようになったことが始まり。(男性が腕に付けるようになったのは戦時中の兵士に時計を持たせたる為)

この時計も、文字デザイン、丸みを帯びた座布団ケース、どこか女性らしさを感じさせる優しい顔です。③の純銀製ケースによる、現行のステンレスとは異なる、鈍く優しい光沢もその女性らしさに一役買っていますね

④玉ねぎリューズも当時の特徴で、元々は懐中時計から生まれた背景があるため、腕時計初期の20世紀前後の過渡期には、こうした懐中時計のパーツやデザインの名残が見られます

折角なので、他の時計のキャリバーと比べてみます。

まずは、SEIKOの最高級機:Grand SEIKOのライバル高級機: KING SEIKO

1961~64年製造の 44KS 後期 手巻き 金張りケース*AD文字盤

こちらは、SEIKO unique 1958年製 手巻き

裏蓋はペルジュー仕上げ、キャリバーのパーツもそれぞれ面取りされたサテーナ仕上げで綺麗です

ただし、KING SEIKO のパーツ仕上げには少し劣る感じがします

もう一つ。

こちらはLONGINES オクタゴン*シェル文字盤のスモセコ 1982年製150周年記念?

SEIKO unique に比べて、キャリバー枠はサテーナ仕上げはやや綺麗ですが、

ネジなどの作りはSEIKOのほうがシャープで綺麗ですね。

年代、メーカーによって、仕上げ方法は異なりますが、見えない所にどれだけ手間を惜しまずに作っているかがメーカーの姿勢と値段に反映されるという点では、服作りと変わりませんね

では次のボックス2 メタルブレス&ネイビー文字盤系のまとめです

基本、SEIKOがメインであることは変わらず、CITIZENで脇を固めるみたいな

右上から SEIKO bell-matic自動巻き, SEIKO type Ⅱグラデ*クォーツ、CITIZEN Leopard 自動巻き

右下から SEIKO Avenueムーンフェイズ、EPOS トノー型自動巻き(フランク風),CITIZEN コスモサイン クォーツ*本クロコベルト

右上から GSX Chronograph (アラン風), SEIKO speedmasterクォーツ, SEIKO Sportura H023クォーツ

右下から SEIKO Chariot 手巻き, CITIZEN cosmo star V2自動巻き, SEIKO emblem クォーツ

手巻き、自動巻きの機械式時計、特に古い年代は防水機能が無いので水分に弱く、夏の着用はレザーバンドで汗をかくのでおすすめされません。

そのため、夏はメタルブレスタイプ、ないしは防水機能がしっかりついている年代の新しいものを着用、もしくはレザーベルトをメタルメッシュバンドに交換して夏用時計に変更します

ていうか、夏にレザーバンドは単純に着用としても不快ですしね

このボックス2は、夏用を意識したまとめになってる感じですね

そして ボックス3 ヴィンテージ80~90年代のデジタル時計

小生のコレクション蒐集は、学生時代にこのボックス:SEIKO と CASIOのデジタル時計から始まりました。特に、SEIKO 80年代ジウジアーロ周りに憧れてましたね

元々、デザインものとしてミッドセンチュリーモダン、宇宙系がなぜか好きだった背景があります。

キューブリックの「時計仕掛けのオレンジ」とかね・・

デジタル時計は、使い続けていると液晶が消耗します。液晶の寿命は約10年前後と言われているので、より古い年代の機械式時計に比べて、当時の生産数は圧倒的に多い一方で、状態が良く残存している個体数は少なく、、その点では希少価値が高いとも言えます。

右上からSEIKO Calculator-Alarm, SEIKO PULSEMETER脈拍計, SEIKO silver wave デジボーグ(007モデル)

右下から SEIKO PULSEMETER,  CASIO SURFING TIMER, CASIO ダイバーズ スイマーモデル

右上から SEIKO SCUBA DIVERS, SEIKO multi-timer バックトゥザフューチャーモデル, CASIO G-shock ジェイソンモデル・オリジナル版

下段 CASIO TWIN SENSOR, CASIO PROTREK 初期型 BAROMETER

デジタル時計の世界には、SEIKO, CASIOを中心に伝説的な名作が幾つかあり、コレクターにとしては全てコンプリートしたくなるんですよね。

まぁデジタルの場合、高くても10~20万円前後なので買えなくもないんでしょうけど・・・そこはなんかね・・より良い状態のモノをより安く買いたい、また掘り出しものを探し当てたいという。。

ヤフオク・メルカリ(時にebay)プレイもあるので、お金にモノを言わせた買い方はしたくないというね

これもコレクターあるあるでしょうか・・?

これで3つのボックスを紹介しましたが、じつはこれ以上にもう2ボックスあります・・

メルカリでコレクションをちょこちょこ売却したりもしたので、それを含めたらもう1ボックス分くらいあったのかな・・ 結構レアなものもありましたし、今もあります。

しかし、この総量はヤバいですね・・

ということで、ここらで締めに

時計のような精密機械製作に、自分のシャツ作成を持ち出すには烏滸がましいですが・・

やはり手仕事へのリスペクト、そしてヴィンテージものは現行の時計にない素材や、デザインの面白さ、また時計業界のもつ歴史の歩みとストーリーがあり、その異世界に惹かれる訳です。

その点でシャツと時計と直接は関係ないようですが、デザインという共通項の中で

この30~40㎜程の小さなケースに、色、素材、形、ディテール、グラフィックと掛け合わせ無限のデザインを各ブランドのらしさを追求したながら、新しいデザインを披露し続ける時計メーカーにはほんと刺激を与えられます

そして今後も、、、狙っているものはある程度限られていますが少しずつ増えていくのでしょうね・・・

またインスタでちょこちょこ紹介していけたらと思います。

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