オーダーシャツ出来上がり
オーダーシャツ完成 という事で、流れや仕様などをご紹介します
scyltは、フルオーダーシャツの為、製品を作る前に、まず仮縫いから始まります。
もちろん、パターンも自ら引き、仮縫いも自ら縫います。
製品縫製は、基本的に工場に依頼するのが通常の流れですが、今回は自ら縫製も担当。
お客様は、身長 約170㎝ 体重 65㎏前後
運動・筋トレをしっかりやられているので、細身ながらもしっかりと
肉付きのあるタイプ。
バックスタイルに集約される、ジャストフィットはフルオーダーならではかと。
横からのシルエットでも、生地のもたつきが無く、背中のクリがしっかりと感じられます
もちろん、ネクタイを付けても・・
コンパクトに収まり、良い感じ。
ちなみに生地は、Thomas Mason 「Portland 120」 120/2ポプリン
数ある高級生地を見てきましたが、、、
この生地は、張り感、滑り、織り密度 そのバランスが最も良いと自信を持って言える scylt の定番かつメイン素材です。
生地に関しては、話すと長くなるので、、、また別の機会でブログしたいと思います
scyltのコンセプトの一つは、「 ネクタイ無しでサマになる 」
ビジネスマンにとって、最も長い時間は社内でネクタイを外している時。
ただその時に、だらしなく外に開ききった衿はカッコよくありません。
だから、scyltの衿は、内側に巻いたロールがポイントです
外に広がらず首元で収まるカッタウェイ
衿のパターン形状と縫製技術、そして第一ボタンの位置に至るまで、自分が思う所の理想を追求しています
こだわりは、勿論、衿だけではありません。
まず、アームホールは、手まつりとミシンステッチのハイブリッド縫製
おそらく世界でもオンリーワンかと。
ナポリシャツのシグニチャーでもあるアームホールの手まつりは
着心地を劇的に高める一方で、着用を重ね、洗いを繰り返す内にほつれて来るのが唯一の問題点。
中でも、一番初めにほつれてくるのが、着用時最も負荷のかかる袖下にあたる「鎌深」ゾーン。
脇の擦れと動きによる摩耗が、手まつりを消耗させるが故です。
そこで、scyltでは、身頃が3面パネルの構造だからこそ出来うる、脇パネルの袖下部のみをミシンステッチ縫製にて補強
消耗度の高い、脇下をしっかりとミシン縫製し、逆に、着心地を左右する肩まわりの上半分をぐるりと ハンドの手まつりと。
着心地と耐久性を両立させているわけです
他にも
ハンド工程の一つとして剣ボロの開き口を補強するカンヌキ糸ループ
生成りのシルク糸で、光沢感によるちょっとしたアクセントに
後ろパネルにはスリット仕様
scyltのパターンは、パンツ着用時ベルトの上でシャツ生地(ブラウジング分量)が余らないようにヒップ周りは、なるべくジャストフィット。
そのため、座った時に生地が引っ張られないように、スリット仕様に。(仏高級シャツメーカー charvet もこの仕様)
勿論ここにも補強用カンヌキ糸ループが配されてます
ボタンは4㎜厚の白蝶貝(普通は1.5mm~2mm厚)
こういう細かい所で、ラグジュアリー感を感じて貰いたいです
一番下のボタンには、配色糸を用いて、隠れたオシャレと遊び心を。
などなど、パターン含めて、他にもこだわりが随所に散りばめられているのですが。。。全部挙げていると、キリがないので今日はここら辺りで。
また改めて、ホームページにて、シャツの仕様解説ページなどを作って、一元的に見ることのできる風にしていければと思っております。