サスペンダー制作
最近は、サスペンダースタイルをするようになりました。
インスタ含めて、個人的な嗜好がクラシックな方向に向かっているのが理由で、
今までやってこなかった、新しいシャツスタイルにトライすると。
スカーフスタイリングもその一環、
シャツ屋として、より広くシャツスタイリングを提案する為にも
自分自身のスタイルにも変化とバリエーションを。
いうイメージです
そのサスペンダー。
サスペンダーは米国名称で、英国では、braces ブレイシーズ
ブランドとなると、1820年創業 英国の Arbert Thurston や
米国の 革小物メーカー Trafalgar (創業1972年)
(メジャーではないが、イタリアの Bretelle and Braces とか)
あとは アパレルメーカーがアクセサリー小物として
Ralph Lauren や Brooks Brothers と言った米国トラッドブランド
英国だと・・・ Hackett 位? 意外と無い
しかしそれにしても、Arbert Thurston の1820年・・創業200年・・・007でも使われている
別格ですね https://www.albertthurston.com/ (HPも飾り気がなく、らしくて良い)
軍服(式服)の生産からスーツテーラーが生まれたのがちょうどこの19世紀頭
Gieves & Hawkes(合併する前それぞれ独立したテーラー) や Henry Poole。
ほぼ同時期に生まれた老舗中の老舗
ちなみに、ちょっと脱線しますが
全世界で100年以上続くメーカーがどれくらいあるかご存知でしょうか?
約8万軒あると言われます
そして、なんとそのうちの41%が日本にあります。
さらに、200年以上続くメーカーとなると、どうでしょう?
全世界では約5500社。
うち日本の割合は、なんと65%にも上ります。
このことはあまり知られていないていないのですが、
やはり日本文化は、世界でも類を見ない独自の発展を遂げていると、
胸を張って言える一つの証左でしょう。
さておき、サスペンダーに戻って。
嗜好の変化で、ちょこちょこ買ってるうちに、自分が欲する、ボタン式&生地タイプのモノのバリエーションが少ないなと気づき、
ならば、自分で作ってみようと。
最近特に、和洋問わずヴィンテージ生地を物色している中で、
着物生地のクオリティの高さ(基本、素材は絹で、織や柄染めが凝っている)にやられており、
どうにか使えないものかという所で、小物系なら可能性あるかな、
というのも一つのきっかけです。とは言え、やはり「和系」の生地使いは、
ここ日本では本当に難しいので、かなり慎重に。
ということでネットにて、上の写真のシルク生地のはぎれカットをゲットしたので、Lets 制作。
一つ目は、シルクジャカードの幾何系プリント生地。(ジャカード:下地に織柄)
まずは付属の準備。作りたいのはボタン式サスペンダーなので
革パーツを手配。当初は、このパーツ自体を作ることになるかな・・と思っていましたが
現状、付属屋さん手配できたので、これは助かりました(同時に、規格サイズの限界もあります)
背中の革パーツには、ブランドロゴの押印。元々、「名刺」作成の為に、外注で「型」を作っていたもので、
革素材を万力で数時間~半日締めあげると出来上がります
思った以上に、全て地道な手作業です(笑)
(革によっては、出来れば濡らしたりして柔らかくすると、より深く刻印されます)
本体のシルク生地、30~35㎜幅 × 80~100㎝位のテープ状の袋縫いを作るわけですが
接着芯では、厚み、膨らみ感が足りないので、別布(薄ジョーゼット)でフラシ芯仕様にします
生地縫製の仕様は単純なので、苦労しませんが
問題は革パーツ部の縫製です。革パーツは良くも悪くも、両面テープが付いており、
生地とゴムを固定して縫える一方で、針にテープの粘着物が付き、糸の噛み合わせを乱します
そこで、やはり革製品で一般的な「先に穴を開ける」やり方で対応。
糸無しで、ミシンで何度か縫い、針の糊付着を取るとともに、
運針を安定させます(レザー用”目打ち”できっちり穴開けするのがベストかな)
ここのレザー部の縫いに関しては
ジョイント部は、凹凸がミシン抑えとぶつかるので、さらに難しくなります
ここは小生にとっても課題ですね
ということで、完成品はこんな感じ。
また、別素材も、ついでに。
いわゆる、上のようなシルク素材で作ると、どうしてもエレガンス系になってしまいます
ビジネススーツスタイルで使用するので当然ですね
逆に、ワーク系、カジュアル系の場合は、
「ゴム」素材のもの、柄としてはプレッピ―系、ストライプ柄がメインですが、
逆に言うと、
カジュアルテイストで、生地素材タイプのサスペンダーが殆ど無いのです
ということで、もう一つは、
リネン100% のプリント柄で作ってみました
芯地も、同じリネン素材。レザーはブラウン系。パーツは、アンティークゴールドに。
まぁまぁ 可愛く出来上がったので、、
同じ柄で、贈り物を作成。
後輩の出産祝いに、子供用サスペンダーと嫁さんに同柄でヘアバンドを足した作成の3点セット。
こちらは、ジョイント部がクリップ式です。
そして、これを作った後、思いました・・
贈物にするには、パッケージも、商品と同じ位大切だな・・・と。
という事で、こちらサスペンダーの製品化
パッケージを決めてからにしよう・・・。
いじょ。