サスペンダー制作

scylt/ 6月 27, 2022/ デザインの徒然, よもやま/ 0 comments

最近は、サスペンダースタイルをするようになりました。

インスタ含めて、個人的な嗜好がクラシックな方向に向かっているのが理由で、

今までやってこなかった、新しいシャツスタイルにトライすると。

スカーフスタイリングもその一環、

シャツ屋として、より広くシャツスタイリングを提案する為にも

自分自身のスタイルにも変化とバリエーションを。

いうイメージです

そのサスペンダー。

サスペンダーは米国名称で、英国では、braces ブレイシーズ

ブランドとなると、1820年創業 英国の Arbert Thurston や

米国の 革小物メーカー Trafalgar (創業1972年) 

(メジャーではないが、イタリアの Bretelle and Braces とか)

あとは アパレルメーカーがアクセサリー小物として

Ralph Lauren や Brooks Brothers と言った米国トラッドブランド

英国だと・・・  Hackett 位? 意外と無い

しかしそれにしても、Arbert Thurston の1820年・・創業200年・・・007でも使われている

別格ですね https://www.albertthurston.com/ (HPも飾り気がなく、らしくて良い)

軍服(式服)の生産からスーツテーラーが生まれたのがちょうどこの19世紀頭 

Gieves & Hawkes(合併する前それぞれ独立したテーラー) や Henry Poole。

ほぼ同時期に生まれた老舗中の老舗

ちなみに、ちょっと脱線しますが

全世界で100年以上続くメーカーがどれくらいあるかご存知でしょうか?

約8万軒あると言われます

そして、なんとそのうちの41%が日本にあります。

さらに、200年以上続くメーカーとなると、どうでしょう?

全世界では約5500社。

うち日本の割合は、なんと65%にも上ります。

このことはあまり知られていないていないのですが、

やはり日本文化は、世界でも類を見ない独自の発展を遂げていると、

胸を張って言える一つの証左でしょう。

さておき、サスペンダーに戻って。 

嗜好の変化で、ちょこちょこ買ってるうちに、自分が欲する、ボタン式&生地タイプのモノのバリエーションが少ないなと気づき、

ならば、自分で作ってみようと。

最近特に、和洋問わずヴィンテージ生地を物色している中で、

着物生地のクオリティの高さ(基本、素材は絹で、織や柄染めが凝っている)にやられており、

どうにか使えないものかという所で、小物系なら可能性あるかな、

というのも一つのきっかけです。とは言え、やはり「和系」の生地使いは、

ここ日本では本当に難しいので、かなり慎重に。

ということでネットにて、上の写真のシルク生地のはぎれカットをゲットしたので、Lets 制作。

一つ目は、シルクジャカードの幾何系プリント生地。(ジャカード:下地に織柄)

まずは付属の準備。作りたいのはボタン式サスペンダーなので

革パーツを手配。当初は、このパーツ自体を作ることになるかな・・と思っていましたが

現状、付属屋さん手配できたので、これは助かりました(同時に、規格サイズの限界もあります)

背中の革パーツには、ブランドロゴの押印。元々、「名刺」作成の為に、外注で「型」を作っていたもので、

革素材を万力で数時間~半日締めあげると出来上がります

思った以上に、全て地道な手作業です(笑)

(革によっては、出来れば濡らしたりして柔らかくすると、より深く刻印されます)

本体のシルク生地、30~35㎜幅 × 80~100㎝位のテープ状の袋縫いを作るわけですが

接着芯では、厚み、膨らみ感が足りないので、別布(薄ジョーゼット)でフラシ芯仕様にします

生地縫製の仕様は単純なので、苦労しませんが

問題は革パーツ部の縫製です。革パーツは良くも悪くも、両面テープが付いており、

生地とゴムを固定して縫える一方で、針にテープの粘着物が付き、糸の噛み合わせを乱します

そこで、やはり革製品で一般的な「先に穴を開ける」やり方で対応。

糸無しで、ミシンで何度か縫い、針の糊付着を取るとともに、

運針を安定させます(レザー用”目打ち”できっちり穴開けするのがベストかな)

ここのレザー部の縫いに関しては

ジョイント部は、凹凸がミシン抑えとぶつかるので、さらに難しくなります

ここは小生にとっても課題ですね

ということで、完成品はこんな感じ。

また、別素材も、ついでに。

いわゆる、上のようなシルク素材で作ると、どうしてもエレガンス系になってしまいます

ビジネススーツスタイルで使用するので当然ですね

逆に、ワーク系、カジュアル系の場合は、

「ゴム」素材のもの、柄としてはプレッピ―系、ストライプ柄がメインですが、

逆に言うと、

カジュアルテイストで、生地素材タイプのサスペンダーが殆ど無いのです

ということで、もう一つは、

リネン100% のプリント柄で作ってみました

芯地も、同じリネン素材。レザーはブラウン系。パーツは、アンティークゴールドに。

まぁまぁ 可愛く出来上がったので、、

同じ柄で、贈り物を作成。 

後輩の出産祝いに、子供用サスペンダーと嫁さんに同柄でヘアバンドを足した作成の3点セット。

こちらは、ジョイント部がクリップ式です。

そして、これを作った後、思いました・・

贈物にするには、パッケージも、商品と同じ位大切だな・・・と。

という事で、こちらサスペンダーの製品化

パッケージを決めてからにしよう・・・。

いじょ。

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